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星のやは、何が凄いのか? 戦略と実行の合致の重要性

高級旅館、日本の勝ち組と称される星野リゾートが運営する星のやに行ってきました。

仕事からの解放の為訪れましたが、大変学びある時間を過ごせたので文書化してみたいと思います。

 

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多能工モデルから学ぶこと。

 

星野リゾートの戦略として、トヨタに代表されるような多能工、1人で何役もこなす事で生産性をあげる方針をとっています。日本の代表的な旅館には「女将」、ホテルでは「総支配人」みたいな「最初と最後だけ挨拶する人」がいて、その下には細かく分業化されているイメージです。

なんとなく、ですが「自分の為にたくさん尽くしてくれる人がいる」方が「良いサービスを受けている」気になる(なっている)んだろうなぁ、と思いましたが、この考えは覆りました。

※ちなみに星のやで総支配人?の存在を知ったのは宿泊後のアンケート依頼のメールでした。(笑)

 

実際、朝のヨガ/運動体験を行うインストラクター、オプションサービスである聞香入門講座のインストラクター、そして受付業務もこなす方がいたのですが、

 

  • 1つ1つがプロの仕事として完成度があること
  • 名門ホテルや旅館にありがちな「きちんと情報共有してますよ」といういやらしさではなく、多能工がゆえの多接点による安心感、自然な情報共有(1名がやっているので当たり前ですが)
  • ホスピタリティより心地よい「親切」という概念 を提供していると感じました。

 

全体的に、若い従業員が多かったですね。

旅館やホテルではせっせと、忙しさを感じさせるスタッフ、多いですよね、明らかに、マルチタスクでやっている星のやのスタッフの方が忙しいはずなんですが、多能工を実現するスタッフが、それぞれ考えて動いている為、「無駄」を感じさせることはなく、もちろん、せわしなさを感じさせるスタッフもいませんでした。

 

質を担保しながら、多能工で進め、生産性をあげていく。よく生産性をあげるというと、工場をイメージする方がいますが、もちろんたとえば聞香入門講座のインストラクター業務を例に出すと、ベースとなる「型」はあります。そのうえで、あつまる客・その回に応じて対応できる柔軟さが求められるのでしょう。その柔軟さはかえって若い方の方があるのかもしれません。(何故なら熟練の説得力ある対応が必要な領域であれば、別に宿泊施設のオプションイベントに求めません。)

 

宿泊施設の有料オプションで提供したい価値はなにか?を正しく定義し、必要最小限のリソースで満足度を維持して運営していく。これに成功しているなぁ、と思いました。 

 

 

・無駄と必要とラグジュアリーの統合から学ぶこと。

 

口コミサイトでは、全く自分と異なる意見を書き込んでいる人がいました。

設備面でいうと至らない点は、確かにありました。この季節、窓の外には大量のカメムシ

たとえば、木々が部屋から離れているなら、これはクレームをいれたかもしれません。ただし、それだけ、手を伸ばせば触れる距離に自然があり、自然が最大の売り、であることを”共有”できている場合、大きなクレームにならないのではないかと思います。

※ただ、死骸ぐらいはチェックイン前になんとかできただろうというツッコミはあります。まだ完璧、ではないですね・・・。

 

さて、大きな特徴として、テレビがありません。非日常を提供するのに最大の敵であるテレビを排除する。これは「なるほど」と思わせます。場所が僻地だった為、auの電波も悪かったです。が、これも「コンセプト」を理解していると、「仕方ないか」で終わります。

 

これ、凄い学びなんですよね。

もし、テレビがあってネットだけつながらなかったら、反応は全く別物になってたと思います。「不自由」にフォーカスが当たっていたでしょうから。コンセプトの理解させることが、「不満足」に感じさせない好例だと思います。このケースはモノづくり、IT業界でも参考になるのではないでしょうか。

 

 

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